はじめに：媒介契約とは？
不動産を売却する際、不動産会社に仲介を依頼するときに必ず結ぶのが**「媒介契約」**です。この契約によって、お客様と不動産会社との間で、どのような条件で売却活動を行うかが明確になります。
しかし、媒介契約にはいくつか種類があるのをご存知でしょうか？それぞれの契約にはメリット・デメリットがあり、あなたの売却計画や希望に合わせて選ぶことが、**「成功する売却」**への第一歩です。
今回は、主要な3つの媒介契約について、合同会社はっと家が分かりやすく解説します！
1. 専属専任媒介契約
📄 契約の特徴
- 1社のみの不動産会社に仲介を依頼する契約です。
- お客様（売主様）は、ご自身で見つけてきた買主様（自己発見取引）とも、直接取引できません。必ず契約した不動産会社を通して取引する必要があります。
- 不動産会社は5日以内に指定流通機構（レインズ）へ物件情報を登録する義務があります。
- 不動産会社は1週間に1回以上、売却活動の状況を売主様に報告する義務があります。
✅ メリット
- 不動産会社の売却意欲が最も高くなる：1社独占のため、その会社が責任を持って集中的に販売活動を行ってくれます。
- 報告義務が手厚い：週に一度の報告があるため、現在の状況を細かく把握できます。
- 価格戦略が統一される：複数の会社で価格がブレることがなく、一貫した戦略で売却活動を進められます。
❌ デメリット
- 他社に依頼できない：契約期間中は他社に依頼できないため、担当者の能力や会社の販売力に売却の成否が大きく左右されます。
- 自己発見取引も不可：親族や知人など、ご自身で見つけた買主様とも直接交渉ができません。
2. 専任媒介契約
📄 契約の特徴
- 専属専任媒介契約と同様に、1社のみの不動産会社に仲介を依頼する契約です。
- 最も大きな違いは、お客様（売主様）がご自身で見つけてきた買主様（自己発見取引）とは直接取引できる点です。
- 不動産会社は7日以内に指定流通機構（レインズ）へ物件情報を登録する義務があります。
- 不動産会社は2週間に1回以上、売却活動の状況を売主様に報告する義務があります。
✅ メリット
- 専属専任に近い熱意：専属専任ほどではないものの、他社と競合しないため、不動産会社は積極的に活動します。
- 自己発見取引が可能：知人などに売却する場合、仲介手数料を節約できます。
- 報告回数も多い：2週間に一度の報告があるため、状況を把握しやすいです。
❌ デメリット
- 他社に依頼できない：専属専任と同様、他社の販売力は活かせません。
3. 一般媒介契約
📄 契約の特徴
- 複数の不動産会社と同時に媒介契約を結ぶことができる契約です。
- 物件情報のレインズへの登録義務や、売主様への活動報告義務はありません（任意で報告を求めることは可能です）。
- 契約形態によって、他の不動産会社に依頼していることを明示する明示型と、明示しない非明示型があります。
✅ メリット
- 販売チャンスの最大化：複数の会社が競い合って販売するため、より多くの購入希望者にアプローチできる可能性があります。
- 優秀な会社を選べる：活動が活発な会社、購入希望者の反応が良い会社を見極めることができます。
- 制限なく自由な売却活動：他社との契約や自己発見取引について制限がありません。
❌ デメリット
- 不動産会社の熱意が薄れる可能性：売主様が他社とも契約しているため、「時間と費用をかけても、他社に契約を取られるかもしれない」と判断され、販売活動が後回しになるリスクがあります。
- 状況把握が大変：各社からの報告義務がないため、売主様ご自身で各社の活動状況を把握・管理する必要があります。
- 価格戦略がブレるリスク：複数の会社が異なる価格で宣伝することで、市場での信頼性を損なう場合があります。
結論：どの媒介契約を選ぶべき？
| 契約の種類 | 1社専属？ | 自己発見取引 | レインズ登録 | 報告頻度 | おすすめのケース |
| 専属専任 | 1社のみ | 不可 | 5日以内（必須） | 1週間に1回以上 | 早期売却を最優先し、信頼できる1社に任せたい場合 |
| 専任 | 1社のみ | 可能 | 7日以内（必須） | 2週間に1回以上 | 信頼できる1社に任せつつ、知人等への売却の可能性を残したい場合 |
| 一般 | 複数可 | 可能 | 任意（義務なし） | 義務なし | 多少時間がかかっても、多くの会社で販売したい場合や、早く売りたい人気物件 |
Google スプレッドシートにエクスポート
お客様の状況、物件の特性、売却に対するご希望によって最適な契約は異なります。
合同会社はっと家は、お客様の売却目標をヒアリングし、最適な媒介契約と戦略をご提案させていただきます。「早く売りたい」「時間をかけて高く売りたい」など、どんなご要望でもお聞かせください。
皆様からのご相談を心よりお待ちしております！